アパートの相続税が払えないときはどうする?5つの対処法を専門家が徹底解説

アパートの相続税が払えない場合の5つの対処法とは?

アパートの相続税を払えないと困っている方は少なくありません。

アパートの相続税は高額になることが多く、突然の負担に驚くでしょう。

「貯金がたくさんある」「現金や上場株・債券などの換金しやすい資産も多く相続した」という方でなければ、アパートの相続税支払いは難しいことが多いです。

また、相続税の支払い期限は「被相続人が亡くなってから10ヶ月」と決まっており、迅速な対応が求められます。

アパートの相続税が払えないときの対処法は下記の5つです。

  1. 延納制度を利用する
  2. 物納制度を利用する
  3. 相続したアパートを売却する
  4. 納税資金を借り入れる
  5. 相続放棄する

本記事では、それぞれの対処法を専門家の視点から詳しく解説していきます。

アパートの相続税を問題なく払えるように、ぜひ参考にしてください。

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目次

アパートの相続税を払わなくてもいい場合とは?

どのようなときにアパートの相続税が発生するのかを理解しておくことが重要です。

ここでは、アパートの相続税が発生する条件・基準を説明します。

「そもそもアパートの相続税を払わなくても良かった」という場合もありますので、ぜひ参考にしてください。

アパートの相続税が発生する基準

アパートの相続税は、相続財産の合計評価額が基礎控除額を超えたときに発生します。

相続財産の合計評価額から基礎控除額を差し引いた金額に対して相続税がかかるからです。

「基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人」であり、法定相続人の数に応じて変動します。

例えば、法定相続人が4人の場合、基礎控除額は5,400万円(=3,000万円+600万円×4人)になります。

この場合、全ての相続財産の相続税評価額が5,400万円以下であれば、アパートの相続税はかかりません。

逆に、5,400万円以上であれば、アパートの相続税がかかってきます。

アパートの相続税評価額の計算方法

アパートの相続税評価額は、土地部分・建物部分を分けて計算し、最後に合算します。

「アパートの相続税評価額=土地部分の相続税評価額+建物部分の相続税評価額」になります。

それぞれの計算方法を紹介します。

アパートの土地部分における相続税評価額の計算方法

アパートの土地部分の相続税評価額は、路線価または固定資産税評価額を基に計算します。

路線価の方が相続税評価額が低くなりやすい(相続税が低くなりやすい)ため、路線価で計算するのが一般的です。

計算手順は次の通りです。

  • 土地の本来の評価額を計算
  • 土地の相続税評価額を計算

まずは「土地部分の本来の評価額=1㎡あたり路線価×土地面積」で算出します。

路線価は時価の 60〜80%程度で設定されていることが多いです。

その後、「土地の相続税評価額=土地の本来の相続税評価額×(100%−借地権割合(※1)×借家権割合30%(※2)×賃貸割合(※3))」で算出します。

※1 借地権割合とは、土地の中で借地が占める割合のこと。相続税評価時の借地権割合は実際の借地権割合とは異なり、「財産評価基準書 路線価図・評価倍率法|国税庁」で公開されている割合を使います。

※2 借家権割合とは、土地の中で貸している土地の割合のこと。相続税評価時の借家権割合は実際の借家権割合とは異なり、30%で固定されています。

※3 賃貸割合とは、全部屋の中で貸している部屋の割合のこと。計算式:100%−空室率。

例えば、路線価が1㎡あたり50万円・土地面積が200㎡・借地権割合60%・空室率20%の場合、アパートの土地部分の相続税評価額は8,560万円(=50万円×200㎡×[100%−60%×30%×{100%−20%}])になります。

建物内に自宅があるアパート(賃貸併用住宅)の土地部分における相続税評価額の計算方法

建物内に自宅があるアパート(賃貸併用住宅)の場合、次のように自宅部分・賃貸部分の土地面積をそれぞれ算出し、アパートの土地部分の相続税評価額を計算します。

  • 自宅部分:土地面積×自宅部分の床面積/全部屋の合計床面積
  • 賃貸部分:土地面積×賃貸部分の床面積/全部屋の合計床面積

賃貸部分の土地の相続税評価額は前述の「アパートの土地部分における相続税評価額の計算方法」と同様のやり方で計算し、自宅部分の土地の相続税評価額は「路線価×自宅部分の土地面積」で計算します。

例えば、路線価が1㎡あたり50万円・土地面積が200㎡・借地権割合60%・空室率20%・自宅部分の床面積200㎡・全部屋の合計床面積1,000㎡の場合、アパートの土地部分の相続税評価額は次の通りになります。

スクロールできます
箇所土地部分の相続税評価額計算式
自宅部分2,000万円
自宅部分の土地面積:
40㎡(=200㎡×200㎡/1,000㎡)

相続税評価額:50万円×40㎡
賃貸部分6,848万円
賃貸部分の土地面積:
160㎡(=200㎡×{1,000㎡−200㎡}/1,000㎡)

相続税評価額:
50万円×160㎡×{100%−60%×30%×(100%−20%)}
合計8,848万円
2,000万円+6,848万円

アパートの建物部分における相続税評価額の計算方法

アパートの建物部分の相続税評価額は、固定資産税評価額を基に計算します。

計算式は「建物の相続税評価額=建物の固定資産税評価額×(100%−借家権割合30%×賃貸割合)」です。(※ 土地の相続税評価時と同様、借家権割合は30%で固定)

例えば、建物の固定資産税評価額が5,000万円・空室率20%のアパートを相続した場合、アパートの建物部分の相続税評価額は3,800万円(=5,000万円×[100%−30%×{100%-20%}])となります。

固定資産税評価額は市区町村から送られてくる「固定資産税の課税明細書」に載っており、時価の55〜70%程度で設定されていることが多いです。

建物内に自宅があるアパート(賃貸併用住宅)の建物部分における相続税評価額の計算方法

建物内に自宅があるアパート(賃貸併用住宅)の場合、建物の固定資産税評価額に自宅部分・賃貸部分の建物割合を掛けて、それぞれの固定資産税評価額を算出し、アパートの建物部分の相続税評価額を計算します。

  • 自宅部分の固定資産税評価額:
    建物の固定資産税評価額×自宅部分の床面積/全部屋の合計床面積
  • 賃貸部分の固定資産税評価額:
    建物の固定資産税評価額×賃貸部分の床面積/全部屋の合計床面積

賃貸部分の建物の相続税評価額は前述の「アパートの建物部分における相続税評価額の計算方法」と同様のやり方で計算し、自宅部分は「建物の相続税評価額=自宅部分の固定資産税評価額」になります。

例えば、建物の固定資産税評価額が5,000万円・空室率20%・自宅部分の床面積200㎡・全部屋の合計床面積1,000㎡のアパートを相続した場合、アパートの建物部分の相続税評価額は次の通りになります。

スクロールできます
箇所建物部分の相続税評価額計算式
自宅部分1,000万円
自宅部分の建物の固定資産税評価額:
1,000万円(=5,000万円×200㎡/1,000㎡)

相続税評価額:1,000万円
賃貸部分3,040万円
賃貸部分の建物の固定資産税評価額:
4,000万円(=5,000万円×[{1,000㎡−200㎡}/1,000㎡])

相続税評価額:
4,000万円×[100%−30%×{100%-20%}]
合計4,040万円
1,000万円+3,040万円

アパートの相続税評価額は空室状況・自宅の有無などで変動するため、計算が非常に複雑です。

専門家に相談した方ががいいでしょう。

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アパートの相続税がいくら払えないのか知ろう!

アパートの相続税が発生するのであれば、アパートの相続税がいくらなのかを計算し、どれだけ納税資金が足りないのかを把握することが重要です。

計算方法を具体的に紹介していきます。

アパートの相続税率

アパートの相続税率は課税価格で変わります。

「課税価格=アパートの相続税評価額基礎控除額」で、課税価格が高くなるほど相続税率も上がっていきます。

課税価格税率控除額
1,000万円以下10%0円
1,000〜3,000万円15%50万円
3,000〜5,000万円20%200万円
5,000万〜1億円30%700万円
1〜2億円40%1,700万円
2〜3億円45%2,700万円
3〜6億円50%4,200万円
6億円以上55%7,200万円

アパートの相続税の計算方法

課税価格に相続税率をかけたものが、アパートの相続税となります。

計算式は「アパートの相続税=課税価格(※)×相続税率」となります。(※ 前述の通り、「課税価格=アパートの相続税評価額基礎控除額」です。)

例えば、アパートの相続税評価額1億円・法定相続人3人の場合、アパートの相続税は860万円(=[1億円−{3,000万円+600万円×3人}]×30%−控除額700万円)となります。

アパートの相続税860万円を払えないということであれば、現金を用意するための対処をしていく必要があります。

逆に、アパートの相続税評価額1億円・法定相続人15人の場合、課税価格が0円以下(=1億円−{3,000万円+600万円×15人})となるため、アパートの相続税は発生しません。

「アパートの相続税を払えない」という心配は不要です。

アパートの相続税を軽くする特例:小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例を活用することで、アパートの相続税負担を大きく軽減できます。

小規模宅地等の特例とは、アパート経営を始めてから3件以上経過しているアパートを相続する場合、アパートの土地部分の相続税評価額を「最大200㎡を50%減額」する制度です。(※ 建物内に自宅があるアパートでは減額幅が違います。詳しくは「建物内に自宅があるアパート(賃貸併用住宅)の小規模宅地等の特例」で紹介しています。)

例えば、土地面積250㎡・土地部分の相続税評価額1億円のアパートの場合、アパートの土地部分の相続税評価額が6,000万(=200㎡分の相続税評価額8,000万円×50%+50㎡分の相続税評価額2,000万円)になります。

小規模宅地等の特例を利用するためには、被相続人が亡くなってから10ヶ月以内に相続税申告する必要があります。

他にも細かい条件を満たさなくてはいけませんし、手続きもやらなくてはいけません。

利用するときは専門家に相談した方がいいでしょう。

当サービスの楽ちん相続不動産売却は、「相続手続き・相続税申告などの面倒ごとまで丸投げ可能な相続不動産売却サービス」です。

サービスにかかる全ての代金は後払いでご利用いただけます。

アパートの相続税の支払いプランも作成いたします。

現在、アパート相続のプロによる無料相続相談を実施しています。

「アパートの相続税を支払えない場合は、まずこのような行動を取るべき」「あなたの状況を加味したら、この対処法とこの対処法を組み合わせるのが効果的」などを、プロが無料でアドバイスいたします。

無料相続相談は相続に関する疑問・お悩みを解消する場です。

ご契約する必要は一切ありませんし、強引な営業も一切ありません。

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建物内に自宅があるアパート(賃貸併用住宅)の小規模宅地等の特例

建物内に自宅があるアパート(賃貸併用住宅)で小規模宅地等の特例を利用した場合、アパートの土地部分の相続税評価額が次のように減額されます。

  • 自宅部分:最大330㎡を80%減額(注)
  • 賃貸部分:最大200㎡を50%減額

ちょっと分かりづらいかと思いますが、減額可能な最大土地面積の合計を100%として、自由な配分で減額できます。

例えば、自宅部分200㎡の相続時評価額を減額した場合、小規模宅地等の特例を60.6%(=200㎡/330㎡)を使ったことになり、賃貸部分では78.8㎡(=200㎡×{100%−60.6%}}しか相続税評価額を減額できないということです。

賃貸部分で130㎡(=330㎡−200㎡)減額できるわけではありませんし、自宅部分・賃貸部分で合計530㎡減額できるわけではありません。

どのような組み合わせで100%にするかは自由なので、計算して、アパートの相続税評価額が最も低くなるような組み合わせにするのがいいでしょう。

注.自宅部分で小規模宅地等の特例を利用する場合は、「被相続人が亡くなったときに相続人が同居していた」などの条件があります。

アパートの相続税を払えない場合とマンション・戸建て・土地などの不動産の相続税が払えない場合の2つの違い

アパートの相続税が払えない場合と、マンション・戸建・土地などのその他の不動産の相続税が払えない場合とでは、大きな違いが2つあります。

これらの違いを理解することは、対処法を講じる上で極めて重要です。

違い1:アパートの方が相続税評価額の計算に時間がかかる

アパートの相続税評価額の計算方法」で説明した通り、借地権割合や空室状況、自宅の有無などによって、アパートの相続税評価額は変わります。

ゆえに、アパートの相続税評価額を計算するときは、様々なデータを収集しなくてはいけません。

マンション・戸建て・土地であれば1ヶ月以内に相続税評価額を計算できる場合が多いですが、アパートの場合、相続税評価額を計算するまでに1ヶ月以上、物件数が多いと3ヶ月以上かかることもあります。

アパートの相続税評価額を算出して「相続税が払えない」と判明したときには、相続税の申告期限が迫っていて、適切な対処法も講じられなかったというケースもあります。

違い2:アパートの方が現金化しづらい

アパートには、マンション・戸建て・土地と比較したときに下記のような特徴があります。

  • 売買金額が大きい
  • 買える人が少ない

アパートの相続税を払えなくて相続したアパートを売却しようとしても、すぐに買いたい人を見つけるのは難しいです。

その上、「違い1:アパートの方が相続税評価額の計算に時間がかかる」で説明した通り、アパートの相続税評価額の算出には時間がかかるため、売却期間を取りづらいです。

「相続税の支払い期限までに売れなかった」「相場よりも大幅に安い価格で売ることになった」みたいなことが起きやすいです。

アパートの相続税を払えなくて相続したアパートを売却するのであれば、遺産分割・相続手続きなどの売却前にやらなくてはいけないことを、なるべく早く済ませた方がいいでしょう。

参考記事

アパート以外の不動産の相続税が払えない場合の対処法に関するページもございます。

お役に立つかと存じますので、ぜひご一読ください。

アパートの相続税が払えないときの5つの対処法

アパートの相続税が払えない場合に使われる5つの対処法を紹介します。

それぞれの対処法にはメリットとデメリットがあります。

自分の状況を正確に見極め、最適なものを選ぶことが重要です。

対処法1:延納制度を利用する

延納制度とは、アパートの相続税を分割で支払う制度です。

「どうしてもアパートの相続税の納税資金を用意できない人」に有効です。

延納のメリット

延納のメリットは、一度に多額の現金を用意する必要がないことです。

資金に余裕を持ちながら、アパートの相続税を納めていけます。

相続税が1億円だったとしても、5年延納すれば毎年約2,000万円ずつの支払いで済みます。

延納のデメリット

延納の大きなデメリットは、次の2つです。

  • 利子税がかかる
  • 最高延納期間が決まっている

利子税・最高延納期間は下記の通りであり、銀行金利と比較すると利率は高く、銀行の借入期間と比較すると最高延納期間は短い傾向にあります。

スクロールできます
区分延納期間
(最高)
利子税
(年割合)
特例割合
(※)
不動産等の割合が75%以上の場合
①動産等に係る延納相続税額
10年5.4%0.6%
②不動産等に係る延納相続税額(③を除く)
20年3.6%0.4%
③森林計画立木の割合が20%以上の森林計画立木に係る延納相続税額
20年1.2%0.1%
不動産等の割合が50%以上75%未満の場合
④動産等に係る延納相続税額
10年5.4%0.6%
⑤不動産等に係る延納相続税額(⑥を除く)
15年3.6%0.4%
⑥森林計画立木の割合が20%以上の森林計画立木に係る延納相続税額
20年1.2%0.1%
不動産等の割合が50%未満の場合
⑦一般の延納相続税額(⑧、⑨および⑩を除く)
5年6.0%0.7%
⑧立木の割合が30%を超える場合の立木に係る延納相続税額(⑩を除く)
5年4.8%0.5%
⑨特別緑地保全地区等内の土地に係る延納相続税額
5年2.2%0.5%
⑩森林計画立木の割合が20%以上の森林計画立木に係る延納相続税額
5年1.2%0.1%
※ この表の「特例割合」は、令和5年1月1日時点の「延納特例基準割合」0.9パーセントで計算しています。したがって、「延納特例基準割合」の変更があった場合には、次の表の「特例割合」も変動しますので、延納申請に際し所轄税務署で確認願います。
No.4211 相続税の延納|国税庁

アパートの相続税5,000万円・延納期間5年・利子税6.0%の場合、年間の支払い額・利子税は下記の通りになり、合計の支払い額は5,900万円(うち利子税900万円)となります。(注)

スクロールできます
期間支払い額支払い額のうちの利子税計算式
1年目1,300万円300万円
利子税:
5,000万円×6.0%

支払い額:
(5,000万円÷5年)+300万円
2年目1,240万円240万円
利子税:
(5,000万円−1,000万円)×6.0%

支払い額:
(5,000円÷5年)+240万円
3年目1,180万円180万円
利子税:
(4,000万円−1,000万円)×6.0%

支払い額:
(5,000万円÷5年)+180万円
4年目1,120万円120万円
利子税:
(3,000万円−1,000万円)×6.0%

支払い額:
(5,000万円÷5年)+120万円
5年目1,060万円60万円
利子税:
(2,000万円−1,000万円)×6.0%

支払い額:
(5,000万円÷5年)+120万円
合計5,900万円900万円
利子税:
300万円+240万円+180万円+120万円+60万円

支払い額:
1,300万円+1,240万円+1,180万円+1,120万円+1,060万円

また、下記のいずれかの場合、担保の提供が求められます。

  • 延納する相続税が100万円以上
  • 延納期間が3年以上

相続したアパート以外にも、自身で保有している持ち家・有価証券なども担保提供できます。

ただし、税務署が定める財産でなければ、担保として認められません。(※ 担保として認められる財産は「No.4211 相続税の延納|国税庁」に載っています。)

「他で担保設定されているアパート」「境界線が判明していないアパート」などは担保として提供できません。

担保提供した財産は、勝手に売却できません。

「子どもが大病にかかり大きなお金が急遽必要になった」「交通事故を起こしてしまい多額の慰謝料を払うことになった」などの場合に、すぐに現金を用意できなくなる可能性があります。

他にも延納制度を利用するには条件があります。

詳しくは本記事の「質問1:延納が断られることはありますか?」で記載していますので、そちらをご確認ください。

注.実際は月々の支払いとなるため、厳密には利子税の金額が微妙に異なります。分かりやすくするために、上記のような例を挙げています。詳しくは税理士などの専門家・税務署にご確認ください。

対処法2:物納制度を活用する

物納制度は、現金の代わりに物でアパートの相続税を納める制度です。

「なにをやってもアパートの相続税が払えない人」に有効です。

物納のメリット

物納のメリットは、現金を用意する必要がないことです。

相続したアパートを物納すれば、わざわざ相続したアパートを現金化する必要はありません。

アパートの相続税が1億円だった場合、評価額1億円以上のアパートを物納すれば、相続税を支払ったことになります。

相続したアパートだけに限らず、下記のような自身で保有している財産でも物納できます。

  • 土地やマンションなどの不動産
  • 株・社債などの有価証券

「相続したアパートが特殊で売却できない」「不動産市場が盛り上がっておらず、アパートの買い手が見つからない」などの場合でもアパートの相続税を払えるようになります。

物納のデメリット

物納の最大のデメリットは、アパートの評価額が市場価格よりも低くなってしまうことです。

アパートの相続税評価額が市場価格より低くなるのと同様、基本的に物納のアパート評価額は市場価格よりも低くなります。

「市場価格1億円のアパートを物納したのに、7,000万円分しか相続税を払ったことにならなかった」みたいなことが起きてしまいます。

また、下記の3つの条件を満たさなければ、物納は認められません。

  • 延納しても相続税を納められない
  • 申請順位が高い財産から物納する
  • 相続税の納付期限までに申請書を提出する

特に条件2が厄介です。

相続したアパートよりも申請順位(※)が高い財産を持っているのであれば、優先順位が高い財産を物納しなくてはいけません。

例えば、相続したアパートよりも自身で保有している上場株式の方が優先順位が高い場合、上場株式を物納しなくてはいけないということです。

納税者側で物納する財産を評価する必要があります。

急いで財産評価して評価を誤ったら、「追加で相続税を払う」「物納が認められない」などが生じることがあります。

物納の手続きには時間がかかります。

物納が認められなった場合、時間が残っておらず、他の対処法を講じられないこともあります。

※ 申請順位とは?

申請順位とは、「税務署が定める物納する財産の優先順位」のことです。

不動産・国債・上場株式などの市場価格が決まっている財産ほど優先順位が高く、非上場株式・家具・自動車などの市場価格が決まっていないほど優先順位が低いです。

同じ種類の財産でも現金化しづらい財産は優先順位が低く、「建築基準法を満たしていないアパート」「法令を満たしていないアパート」などは、一般的なアパートよりも優先順位が低いです。

詳しくは国税庁のサイト「No.4214 相続税の物納|国税庁」に載っていますので、そちらをご確認ください。

対処法3:相続したアパートを売却する

相続したアパートを売却して、アパートの相続税の納税資金を用意する方法です。

「相続したアパートの管理・維持ができない人、またはしたくない人」に有効です。

アパート売却のメリット

相続したアパートを売却するメリットは、一度に多額の現金を得られることです。

アパートの相続税を一括で払うことができ、延納のように利子税を払う必要もなく、物納のように市場価格よりも低い金額しか相続税を納めたことにならないということもありません。

アパート以外の相続財産が多くない限り、アパート売却で得た現金で相続税を支払っても、相当な現金が残ります。

相続したアパートを2億円で売却して相続税1億円を払った場合、相続税を全て払った上で手元に1億円(=2億円−1億円)も現金が残ります。

残った現金は、他の資産運用や生活費・旅行代などに充てることができます。

相続したアパートの管理・維持にかかる手間や費用も無くなり、毎年の固定資産税も払う必要がなくなります。

心理的ストレス・経済的ストレスのどちらからも解放されます。

アパート売却のデメリット

相続したアパートを売却するデメリットは、売却価格が市場価格よりも低くなる可能性があることです。

アパートを買える人は少ないため、買い手を見つけるまでに時間がかかります。

しかし、相続税の支払い期限は10ヶ月と決まっており、アパートの相続税を払えなくて相続したアパートを売却するときは、「相続税の支払い期限が迫っていて、市場価格よりも低い価格で売却せざる得なかった」ということが起きやすいです。

アパートの相続税評価には時間がかかるため、十分な売却準備ができないこともあります。

また、相続したアパートを売却したら、相続税とは別で譲渡所得税・住民税がかかります。(※ 譲渡所得税・住民税の税率は「質問4:相続したときにかかる税金は?」で記載)

何も対策していないと、税金だけが無駄に増えていってしまいます。

アパートの相続税を払えなくて相続したアパートを売却する場合は、譲渡所得税・住民税のことも加味して、アパートの相続税評価をしなくてはいけません。

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対処法4:アパートの相続税の納税資金を借り入れる

相続したアパートなどを担保に入れて、アパートの相続税の納税資金を金融機関から一時的に借り入れる方法です。

「相続したアパートを売却予定だが、何らかの理由で直近では売却の時間を取れない人」に有効です。

借り入れのメリット

アパートの相続税を借り入れするメリットは、相続手続きをゆっくり進められるようになることです。

借り入れすることで、アパートの相続税の支払いを心配する必要がなくなります。

次のような場合でも、「相続税の支払いを気にせず、自身のペースで相続手続きをやる」という選択が取れるようになります。

  • 遺産分割などで揉めていて、アパートの相続税を支払うための準備が何もできていない
  • 仕事が忙しくて、相続手続き・アパートの相続税支払いの準備ができていない

アパートの相続税が払えないとどうなる?3つの起こること」で紹介しているような、延滞税・加算税を支払うリスク・財産の差し押さえリスクなどはなくなります。

金融機関と交渉すれば、返済期間・金利を調整することができます。

延納とは違い、自身の状況に合った借り入れが可能です。

借り入れのデメリット

アパートの相続税を借り入れするときのデメリットは、金利がかかることです。

金融機関によって変わりますが、金利は2〜7%程度で設定されていることが多く、延納の利子税よりも高い場合があります。

返済期間5年・金利7.0%で5,000万円借り入れした場合、利子の合計は1,050円となります。(注)

延納時の利子税の計算例」に記載の通り、利子税6.0%では合計利子税900万円でしたが、利率が1.0%上がるだけで合計利子は150万円(=1,050万円−900万円)も増えてしまいます。

スクロールできます
期間利子計算式
1年目350万円
5,000万円×7.0%
2年目280万円
(5,000万円−1,000万円)×7.0%
3年目210万円
(4,000万円−1,000万円)×7.0%
4年目140万円
(3,000万円−1,000万円)×7.0%
5年目70万円
(2,000万円−1,000万円)×7.0%
合計1,050万円
350万円+280万円+210万円+140万円+70万円

また、住宅ローン・教育ローンなどの世間に馴染みのあるローンとは異なり、アパートの相続税の借り入れ審査は厳しい傾向があります。

「過去に返済実績がない」「自身の収入が低い」などの場合、借りられないことも多いです。

注.実際は月々の支払いとなるため、厳密には利子の金額が微妙に異なります。また、契約した金利の種類によって、利子の計算方法は変わってきます。分かりやすくするために、上記のような例を挙げています。詳しくは金融機関の担当者・専門家にご確認ください。

対処法5:相続放棄する

相続放棄は、相続自体を放棄する方法です。

「アパートの相続税を払わなくてはいけない、というストレスからとにかく解放されたい人」に有効です。

相続放棄のメリット

相続放棄のメリットは、アパートの相続税の支払い義務がなくなることです。

多額の相続税を払わなくてよくなり、相続税を払うための準備・対処などをする必要もありません。

アパート購入時・改修時の借金も引き継がなくていいです。

「アパートの相続税をどうしよう」「どうやって納税資金を確保しよう」などの悩みを考える必要も無くなります。

相続放棄のデメリット

相続放棄のデメリットは、アパートだけでなく、全ての財産を相続できなくなることです。

アパートの相続税以上の財産を受け取れなくなる可能性があります。

例えば、1億円の財産を相続する権利があるのに「1,000万円のアパートの相続税が払えない」からといって相続放棄した場合、9,000万円(=1億円-1,000万円)を実質捨てたことになります。

相続放棄の手続き期限は、財産を持ってい方が亡くなってから3ヶ月です。

言い換えれば、「3ヶ月以内にアパートの相続税が払えるかを確認して、相続放棄するかどうかを判断」しなくてはいけないということです。

相続放棄の手続きには2〜3週間かかることがあるため、実際は2〜2.5ヶ月で判断しなくてはいけません。

期限内に手続きしなかった場合、基本的に相続放棄は認められません。

手続きするときは、家庭裁判所に行く必要があります。

相続放棄をすると、親・兄弟姉妹などの他の相続人の負担が増えてしまいます。

相続人同士で十分話し合ってから、相続放棄するかどうかを決める必要があります。

アパートの相続税を払えないとどうなる?3つの起こること

アパートの相続税を払えない場合、主に3つの問題が発生することがあります。

実際どのようなことが起こるのか紹介します。

起こること1:延滞税・加算税が発生する

アパートの相続税を期限内に払えないと、延滞税・加算税が発生します。

それぞれの税率は下記の通りです。

スクロールできます
種類税率(注1)補足
延滞税納付期限から2ヶ月以内年2.4%
延納などの申請せずに、相続税の支払い期限の10ヶ月以内に相続税を納付しなかった場合に発生。
未納額(滞納額)に税率がかかってくる。
納付期限を過ぎてから1日ごとに加算されていく。
納付期限から2ヶ月以降年8.7%
無申告加算税税務調査の通知を受ける前に申告5%
相続税の申告期限を過ぎて相続税申告した場合に発生。
過去の申告状況・過去の税務調査の結果などによって、税率が10%上がることがある。
税務調査の通知を受け、税務調査実施前に申告税額50万円以下の部分10%
税額50〜300万円の部分15%
税額300万円以上の部分25%
税務調査実施後に申告税額50万円以下の部分15%
税額50〜300万円の部分20%
税額300万円以上の部分30%
過小申告加算税税務調査の通知を受ける前に修正申告0%
本来申告すべき相続税額よりも少なく申告した場合に発生。
税務調査の通知を受け、税務調査実施前に修正申告修正申告前の相続税額と50万円のいずれか大きい方の部分5%
修正申告前の相続税額と50万円のいずれかよりも大きい部分10%
税務調査実施後に修正申告修正申告前の相続税額と50万円のいずれか大きい方の部分10%
修正申告前の相続税額と50万円のいずれか大きい方以上の部分15%
重加算税過少申告の場合35%
相続税額を低くするために、相続財産を隠すしたなどの悪質な過少申告時に発生。
無申告の場合40%
注1.年度よって税率は変わります。

例えば、下記のような場合、延滞税・加算税が合計1,877.5万円かかります。

  • 相続税5,000万円
  • 相続税の納付期限から1ヶ月後に納付(注2)
  • 税務調査の事前通知を受けて税務調査前に相続税申告
  • 税務調査で過少申告が発覚し、相続税額6,000万円で修正申告
スクロールできます
種類税額計算式
延滞税10万円
5,000万円×2.4%×1/12
無申告加算税1,217.5万円
50万円×10%+(300万円−50万円)×15%+(5,000万円−300万円)×25%
過少申告加算税650万円
5,000万円×10%+(6,000万円−5,000万円)×15%
合計1,877.5万円
62万円+50万円+100万円

延滞税・加算税が発生したら、元々のアパートの相続税よりも大きな金額を支払うことになり、経済的に大きな負担となります。

注2.申告期限を過ぎて申告した場合、申告日が納付期限になります。

起こること2:財産が差し押さえられる

アパートの相続税を払えない状態が長期間続くと(=未納・滞納が長期間続くと)、税務署から財産を差し押さえられます。

自身で買った時計・車・持ち家など、相続したアパート以外の財産も差し押さえ対象になることに加え、自身の給料・アパートの家賃収入も差し押さえ対象になります。(※ 給料の差し押さえは、手取りの最大1/4まで)

差し押さえられた財産を売却することや、差し押さえられた財産を借り入れの担保として提供することはできなくなります。

差し押さえられた財産は、競売で市場価格の50〜70%程度で売却され、売却代金が相続税に充当されます。

相続した市場価格1億円のアパートが差し押さえられ、競売で7,000万円で売却された場合、相続税を7,000万円しか払ったことになりません。

市場価格で「相続税の1.3〜2倍」の財産を差し押さえられる可能性があります。

自身の住まい・車・給料などが差し押さえられたら、日常生活にも支障をきたしますし、心理的ストレスも大きくなります。

アパートの相続税が払えないときはなるべく早く対処法を講じ、差し押さえだけは回避した方がいいでしょう。

起こること3:金融機関と取引しにくくなる

アパートの相続税を払えないと(=未納・滞納してしまうと)、個人の信用情報に傷が付くことがあります。

信用情報とは、「金融機関がローン審査などをするときに確認する金融情報」のことです。

信用情報に傷が付くと、金融機関に「お金を貸しても返してもらえない可能性がある」と判断され、ローン審査に落ちてしまいます。

住宅ローン・教育ローンが借りられなくなるだけでなく、次のようなことも起きてしまいます。

  • 現在のローンを全額返すように迫られる
  • クレジットカードが作れなくなる
  • クレジットカードの限度額が下がる
  • 事業資金の融資を受けるときに個人保証を入れられなくなる
  • 事業でリース契約できなくなる
  • 株の信用取引ができなくなる

一度傷付いた信用情報が回復するまで5〜10年と言われているため、信用情報に傷が付くと、5〜10年は金融機関と取引しづらくなると考えていいでしょう。

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アパートの相続税が払えないときによくある4つの質問と回答

「アパートの相続税が払えない」とお困りの方からよくいただく4つの質問と、その回答をまとめました。

少しでも疑問を解消するために、ぜひ参考にしてください。

質問1:延納が断られることはありますか?

はい、アパートの相続税の延納が断られることはあります。

延納するときは、次の3つの条件を満たす必要があります。

  • 相続税額が10万円以上
  • 相続税を期限内に一括納付できない理由がある
  • 延納額が100万円以上の場合は担保を提供する

延納が断られるときによくあるのが、条件2の「相続税を期限内に一括納付できない理由がある」を満たしていないことです。

アパートは持っているが現金がない場合、「すぐ売れば一括納付できる」と判断され、延納を断られることがあります。

相続したアパートを担保にしようとしても、税務署に「アパートに担保価値なし」と判断され、延納を断られることもあります。

延納を希望する際には、事前に税務署に相談し、必要な条件や手続きを確認することが重要です。

質問2:どんなアパートでも物納できますか?

いいえ、アパートの相続税を物納するときに、物納を認められないアパートもあります。

下記のようなアパートは、基本的に物納を拒否されてしまいます。

  • 金融機関などに担保設定されている
  • 土地の境界線が明確ではない
  • アパートの土地が借地で、その借地の権利者がわからない

他にも物納できないアパートの条件があります。(※)

物納を希望する場合には、事前に税務署に相談し、物納できるアパートなのかを確認することが重要です。

※ 物納できないアパートの条件は、「No.4214 相続税の物納|国税庁」に載っていますので、詳しくはそちらをご確認ください。

質問3:アパートの相続税の納税資金を借り入れるときの注意点は?

アパートの相続税の納税資金を借り入れる際には、金利・返済条件を確認することが重要です。

多くの人は金利だけに目が行きがちですが、返済条件も同じくらい大事です。

下記のような条件が付くことがあります。

  • 債務超過が発生したら即時一括返済
  • 返済が数回遅れたら即時一括返済
  • 返済が遅れたら高額な遅延損害金が発生

金利が安くても、返済条件が厳しければ、返済計画がずれたときに大きな経済的負担が発生する可能性があります。

金融機関ごとに金利・返済条件は異なるため、複数の金融機関に話を聞き、自身に最適なやり方で借り入れしましょう。

質問4:相続したアパートを売却したときにかかる税金は?

相続したアパートを売却する際には、譲渡所得税・住民税の2つが主に発生します。

どちらも譲渡所得(=アパートの売却価格−取得費用−譲渡費用−特別控除)に対して課税されます。(※ 各費用の定義は後述)

所有期間(=アパートを相続してからの期間)によって税率は変わります。

所有期間譲渡所得税率(※)住民税率
短期(5年以下)30.63%9.0%
長期(5年超)15.315%5.0%
※ 復興特別所得税を加算した譲渡所得税率(元々の譲渡所得税率×1.021)です。

例えば、アパートの売却価格が1億円・取得費用5,000万円・譲渡費用400万円・所有期間5年以下の場合、譲渡所得税1,409万円(={1億円−5,000万円−400万円}×30.63%)・住民税414万円(={1億円−5,000万円−400万円}×9.0%)で合計1,823万円(=1,409万円+414万円)の税金がかかります。

売却価格が高くなるほど、購入時期が昔で購入代金が安くなるほど、譲渡所得税・住民税が重くなります。

次の3つの条件を満たした場合、アパートの取得費用に「合計の相続税額×(売却する相続したアパートの課税価格÷相続財産全体の課税価格)」を加えられます。(※ 課税価格の計算方法は、本記事の「アパートの相続税率」に記載。)

譲渡所得が減って、譲渡所得税・住民税が減るということです。

  • 相続によってアパートを取得した
  • 相続税が発生した
  • 相続税の申告期限から3年以内に相続したアパートを売却した

例えば、下記のような場合、取得費用に1,663万円(=1,900万円×{7,000万円÷8,000万円})を加えられます。

  • 合計の相続税額:1,900万円
  • 売却する相続したアパートの課税価格:7,000万円
  • 相続財産全体の課税価格:8,000万円

前述の計算例と同様の条件、アパートの売却価格が1億円・取得費用5,000万円・譲渡費用400万円・所有期間5年以下の場合、譲渡所得税900万円(=[1億円−{5,000万円+1,663万円}−400万円]×30.63%)・住民税264万円(={1億円−5,000万円−400万円}×9.0%)・合計1,164万円(=900万円+264万円)で済みます。

前述の計算例と比較すると、税金が659万円(=1,823万円−1,164万円)も安くなります。

相続したアパートを売却するときの税金は、アパートの相続税評価方法などでも変わってきます。

アパートの相続税を払えなくてアパートを売却するときは、なるべく早く専門家に相談し、適切な範囲で税金対策をおこなうことを検討した方がいいでしょう。

※ 各費用の定義

  • 取得費用:亡くなった方がアパートを購入した代金・購入時の仲介手数料・相続時の名義変更費用など、アパートを購入するためにかかった費用のこと
  • 譲渡費用:仲介手数料・測量費用など、アパートを売却するためにかかった費用のこと
  • 特別控除:一定の条件を満たしたら、譲渡所得から差し引かれる金額のこと。建物内に自宅があるアパート(賃貸併用住宅)では、「相続したときに自宅部分が空き家の場合(亡くなった方が自宅部分に1人で住んでいて、その後空き家の場合も含む)」または「自宅部分に自身が住んでいる場合」、3,000万円控除されることがある。

まとめ

アパートの相続税が払えないときの対処法を解説しました。

下記の5つの対処法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

  • 延納制度を利用する
  • 物納制度を利用する
  • 相続したアパートを売却する
  • 納税資金を借り入れる
  • 相続放棄する

適切な対処法を選ぶことで、アパートの相続税を問題なく払えるようになり、スムーズに相続を終えられるでしょう。

アパートは相続税評価・相続手続きに時間がかかるため、「アパートの相続税が払えない」と判明したときには、適切な対処法を講じられないことも多いです。

とにかく早く動き出すことが重要です。

アパートを相続することになったら、なるべく早めに専門家に相談した方がいいでしょう。

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